【大阪府支部 支部長】新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。旧年中は、建災防大阪府支部の事業活動に多大なるご支援とご協力を賜りましたこと、心より厚くお礼申し上げます。
昨年は、5月に新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類へ移行し、3年間続いたコロナ禍がようやく終息を迎え、大リーグでは、大谷選手が日本選手として初めてホームラン王を獲得するなど、明るい話題も多かった1年でした。また、日本シリーズでは、59年ぶりに関西ダービーが実現し、パリーグ3連覇のオリックスとの激戦を制した阪神が38年ぶりに優勝するなど、スポーツ界中心に大阪が盛り上がった年でもありました。
さて、昨年の大阪府内の建設業における死亡災害は11月30日現在12件と、一昨年の年間の件数と同数となっており、うち墜落・転落災害によるものが約6割と依然として大きな割合を占めています。また、休業4日以上の死傷災害についても前年より1割程度増加しておりますことも併せまして、建設業に従事する全ての方の健康と安全を守るべき私たちは、これを重く受け止めなければなりません。
当支部では、支部独自の安全衛生活動である「ご安全に運動」に年間を通じ取り組んでおり、その一環として毎年10月から11月にかけて、現場における安全衛生管理に役立ててもらうべく、「ご安全に運動研修会」を各分会で開催しています。昨年は災害の背景にある多くの危険有害要因、指摘に至る経緯をパトロールで突き詰めることの重要性を認識し、現場における安全衛生水準の向上を目的として「パトロールの指摘事項と防げたはずの災害事例」をテーマにした研修会を実施しました。研修会に向けて作成したテキストでは、死亡災害につながる可能性が極めて高い墜落・転落災害をはじめとする様々な災害事例と関連するパトロールでの指摘事項を数多く取り上げています。
さらに、昨年11月10日には、大阪労働局と合同で府内12現場に対して「ご安全に運動パトロール」を行い、「ストップ・ザ・ついらく」や「命綱GO活動」の実施状況を確認し、安全管理の徹底、「二丁掛けフルハーネス型墜落制止用器具」の使用を含めた墜落・転落災害の防止を呼び掛けました。
大阪府支部は今年創立60周年を迎えます。今後も引き続き墜落・転落災害の防止に重点を置きながら、「ご安全に運動」を推進し、安全衛生パトロールや研修会などを積極的に実施してまいります。また、種々の法令改正に対応した技能講習や安全衛生教育等の充実を図るとともに、労働災害撲滅の輪を広げるべく非会員会社への加入促進活動にも注力してまいる所存です。
建設業においては、人手不足のなか4月から適用される時間外労働時間上限規制や2025年に開催が予定されている大阪・関西万博に関連する工事量の増加等、対応すべきことも多々ございます。しかしながら、そのことが要因で労働災害が増加することのないよう、事業をより積極的に展開してまいりますので、ご関係の皆様方におかれましては、今後も倍旧のご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びにあたりまして、本年が無災害かつ安全で安心して働くことのできる明るい年となりますよう、また、当支部会員の皆様方をはじめ、関係各位のさらなるご発展とご健勝を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。「ご安全に!」