【大阪府支部 支部長】新年のご挨拶

 新年あけましておめでとうございます。旧年中は、建災防大阪府支部の事業活動に多大なるご支援とご協力を賜りましたこと、心より厚くお礼申し上げます。

 また、昨年は当支部創立60周年の節目を迎え、記念事業を執り行うことができましたことは、行政ご当局のご指導と支部・分会役員や会員の皆様の一方ならぬご協力の賜物と感謝し、厚くお礼申し上げます。

 さて、昨年の大阪府内の建設業における死亡災害件数は、12月10日現在の速報値ではありますが、過去最少を記録した平成28年の11件を下回る「年間一桁」が実現する見通しとなりました。これは、例年死亡災害の最大の原因となっていた墜落・転落災害による死亡災害の件数が大きく減少していることが奏功したものであり、大阪労働局はじめ各労働基準監督署のご指導と会員各位のご尽力の賜物でございます。しかしながら、人を不幸にする労働災害、ましてや死亡災害は本来あってはならないものであり、夏場の熱中症で亡くなられた3名を含め、尊い命を落とされた方が7名もいることは、真摯に受け止めなければなりません。

 当支部では、支部独自の安全衛生活動である「ご安全に運動」に年間を通じ取り組んでおり、その一環として毎年10月から11月にかけて、現場における安全衛生管理に役立ててもらうべく、「ご安全に運動研修会」を各分会で開催しています。昨年度は一昨年好評であった「パトロールの指摘事項と防げたはずの災害事例」をテーマに、指摘事項を是正しなければどのような災害に結び付くか、またその指摘事項に至った要因、経緯等を深くつきつめることにより、安全衛生管理のポイントを理解していただくため、現場における安全衛生水準の向上を目的とした研修会を実施しました。

 加えて、1111日には、大阪労働局と合同で府内13現場に対して「ご安全に運動パトロール」を行い、昨年改正された一側足場の使用範囲や足場の点検等の労働安全衛生法令を踏まえ、「ストップ・ザ・ついらく」や「命綱GO活動」の実施状況を確認し、安全管理の徹底、「二丁掛けフルハーネス型墜落制止用器具」の使用を含めた墜落・転落災害の防止を呼び掛けるとともに、化学物質規制等についても周知を図りました。

 大阪では413日に開幕する大阪・関西万博の関連工事が終盤を迎えておりますが、大阪IR構想やなにわ筋線延伸等の大規模プロジェクトが刻々と進み、さらに工事量が増加していくことが予想されます。当支部といたしましては、引き続き墜落・転落災害の防止に重点を置きながら、「ご安全に運動」を推進し、安全衛生パトロールや研修会などを積極的に実施するとともに、労働安全衛生規則の改正等への対応をはじめとして、ニーズに合った技能講習や安全衛生教育等の充実を図ってまいります。

 また、夏場の熱中症対策や、高齢労働者の安全に配慮した職場環境づくり、自然災害への復旧・復興対応など、建設業をとりまくさまざまな課題に対し、啓蒙活動を着実に推進して、労働災害の撲滅に努めるとともに、会員の輪を広げるべく非会員会社への加入促進活動にも注力してまいる所存です。ご関係の皆様方におかれましては、今後も倍旧のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 結びにあたりまして、本年が無災害かつ安全で安心して働くことのできる明るい年となりますよう、また、当支部会員の皆様方をはじめ、関係各位のさらなるご発展とご健勝を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。ご安全に。

錢高 久善 大阪府支部 支部長